第9章

もう一方――水野心愛を追い払ったあとも、神崎斗真は紬に付き合って、鳥を“騙し”続けていた。

正直、心が折れそうだった。捕まえられないなら、哄すしかない。けれど、相手は人間じゃない。オウムだ。どうやって機嫌を取れっていうんだ。

「オウムちゃん、降りておいで。肉、あげるからさ?」

斗真の演技は、大根役者もいいところだった。

オウムは斗真をじっと見つめ、首をかしげながら言い放つ。

「肉いらん! 肉いらん! 肉食うと肉つく!」

……降りる気配、ゼロ。

斗真は大きく息を吸い、ついに切り札を切った。

「紬、帰ろう。もう放っておく」

途端に紬が青ざめ、斗真の服をぎゅっと掴む。

「だめ…...

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